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8月期におけるパチンコ店の閉店数は36軒に留まっている、閉店ラッシュどころか拍子抜けするほど少なかった【パチンコ狂の詩】

本年の8月期には全国のパチンコホールで数多くの閉鎖店舗が出るはず。そう思っていた方は少なくないことだろう。私自身も相当数のパチンコ店が閉店を選択すると考えていた。

その理由は主に2つ。そもそもパチンコ店の閉店は1月・5月・8月に集中するのが一般的だ。「正月休み」「GW商戦」「お盆期間」といった書き入れ時を過ぎてから店を閉めるということ。実際に去年の閉店数は1月が81軒で最も多く、8月はそれに続く75軒が閉鎖を選択していたものである。

加えて今年は新紙幣対応の問題もある。この対応には多額の設備投資がかかるため、これを機会に店を閉めようと考えるホールが数多く出てくるのも当然といえるだろう。なお、6月期には(新紙幣の流通開始を控えて)50店舗以上が先んじて閉店していた。

むろん7月からは既に新紙幣の流通は始まっているが、(未対応のまま)続けられるところまで続けようと考えているホールも数百軒は残っているようだ。そうした新紙幣に対応していない店舗が「お盆明け」に閉店するケースが相当数出てくるはず。そんな見立てが業界内でも大勢を占めていたように思う。

ところが、蓋を開けてみると8月期におけるパチンコホールの閉店数は36軒に留まっている。ちなみに日付の関係上、9月上旬に閉鎖した店舗も含んでの数値だ。もちろんけっして少ない数とまではいえないものの、(ここ数年間における8月期の閉店数と比較すると)やや拍子抜けする数であったことは間違いない。

パチンコ業界にかかわる仕事を生業としている私にとっては朗報なのだが、予想外過ぎて何だか困惑しているのが正直な気持ちだ。聞いていたよりも新紙幣対応を済ませたホールが多かったのか、パチスロ稼働の好調も含めて業界全体が底を脱したからなのか。

どちらもあまりピンと来ないものの、8月中には思っていたよりも閉鎖を選択するパチンコ店が少なかったことは事実である。

ちなみに2020年の1年間には約600軒の閉店が確認されて、パチンコ業界における閉店ラッシュがここから一気に加速。2021年に同じく600軒、2022年には800軒と続き、昨年2023年は約500軒が閉店していたもの。

このように、わずか4年間で2500店舗ほどが市場からその姿を消し、現時点で営業中のホールは6430軒まで減少している。こうしたパチンコ業界の苦境も、ようやく落ち着きを見せてきたといえるのかもしれない。

9月の連休明け辺りにどの程度ホールが閉店するのかも含めて、引き続き動向を注視していきたいところである。