「延田エンタープライズグループ」は大阪を基盤として全国でパチンコホールを店舗展開する有力チェーンである。主に「１２３」の屋号にて計６３店舗を運営。その内訳は東京都（２店舗）、神奈川県（１店舗）、滋賀県（１店舗）、大阪府（２８店舗）、兵庫県（９店舗）、奈良県（３店舗）、和歌山県（６店舗）、岡山県（４店舗）、徳島県（５店舗）、高知県（１店舗）、福岡県（１店舗）、そして熊本県（２店舗）だ。１店舗あたりの平均設置台数は７８２台と小規模ホールから巨艦店まで多肢に渡っている。

継続的な新規出店により着実にその勢力を拡大している同社。２０２０年も勢いは衰えず、熊本県で２店舗目となる『１２３山鹿店』のグランドオープンを果たしたのは記憶に新しいところ。ただし２月オープンの時点から全席禁煙でスタートするも、すぐに喫煙可へ変更するなど、やや躓きもみられてしまったようだ。その後のコロナ禍も相まって難しい舵取りが続いたことだろう。オープンから３年ほどでの撤退となっている。

なお、２０１９年末には東京都渋谷区の『パーラー風羅巴』を傘下に収めていて、２０２０年７月には『１２３笹塚店』としてグランドリニューアルを敢行していた。２０１９年８月にグランドオープンしていた『１２３篠崎店』に続き、東京都内への進出が当時３件目を数えていたものだ。（なお、『１２３篠崎店』については２０２０年９月に閉店済みである点も付記しておきたい。）

更に、２０２０年３月には兵庫県下で運営していた「ラッキー１番」グループの４店舗を傘下に収めていて、その内『スーパーラッキー８００』から改装オープンを実施。『１２３宝塚店』として２０２０年８月に新たなスタートを切っている。

また２０２１年１２月には岡山県倉敷市に『１２３水島店』がグランドオープンを果たしていた。同店は『ゲットゲットミズシマ』から屋号変更を伴うオープンとなっている。加えて、２０２２年８月には奈良県の『Ｋ－ＰＯＷＥＲＳ大安寺店』を傘下に収めた。

また、滋賀県湖南市にて営業中のパチンコ店『エンターテイメントオメガ湖南』が（株）延田カンパニーに事業承継されることが官報に公告されたのは本年９月２９日のこと。京都府を中心にパチンコホールを店舗展開する老舗チェーン「第一物産」グループにおける旗艦店舗だっただけに、このＭ＆Ａニュースには驚かされた方も少なくないはずだ。なお、これが滋賀県への初進出案件ともなっている。

今後は更にＭ＆Ａによる事業規模の拡大路線に入っていくのか注目である。一方で２０２３年には３軒の店舗閉鎖が確認されている。

※コロナ禍以降の閉鎖・売却店舗
２０２０年　４月：『１２３ライト有田店』（和歌山県２５０台）
２０２０年　４月：『１２３初島店』（和歌山県３１２台）
２０２０年　４月：『１２３岡崎店』（和歌山県３８０台）
２０２０年　５月：『１２３ライト八万店』（徳島県３０９台）
２０２０年　５月：『１２３阪南店』（大阪府５５０台）
２０２０年　５月：『１２３ライト八尾店』（大阪府１９６台）
２０２０年　５月：『１２３八尾駅前店』（大阪府２９１台）
２０２０年　５月：『１２３粉浜店』（大阪府３９２台）
２０２０年　５月：『ＧＥＴＧＥＴ青江店』（岡山県パチスロ専門店２２０台）
２０２０年　９月：『１２３篠崎店』（東京都４５５台）
２０２１年　１月：『ラッキー１番本店』（兵庫県６００台）
２０２１年　５月：『スロット１２３八尾店』（大阪府パチスロ専門店１２７台）
２０２１年　５月：『北野田スタジオ』（大阪府４００台）
２０２１年　５月：『スロットファースト北野田店』（大阪府パチスロ専門店１７０台）
２０２２年１１月：『スロット１２３貝塚店』（大阪府４００台）
２０２２年１１月：『１２３上板店』（徳島県５１５台）
２０２２年１１月：『１２３蘇我店』（千葉県７０８台）
２０２３年　１月：『１２３座間店』（神奈川県９３６台）
２０２３年　７月：『１２３論田店』（徳島県４８０台）
２０２３年　８月：『１２３山鹿店』（熊本県８６６台）
（２０２３年１２月１日記載）