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ワンデーポート、名古屋で依存問題セミナーを開催

ギャンブルに問題がある人のためのケアセンターとして活動する認定NPO法人ワンデーポートは26日、名古屋市中区の名古屋市都市センター金山南ビルにおいて「ギャンブル等依存問題の現状~支援の現場の視点で検証する~」を開催した。

今回のセミナーは、支援の現場での視点でギャンブル等依存問題について考え、当事者(家族)や社会がどのように向き合うべきか考える事を目的に開催。全日本社会貢献団体機構の助成事業で、愛知県、名古屋市、リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)、依存の問題に携わる人たちの勉強会の後援、そしてアイエス・フィールドの協力により開催が実現した。

冒頭、挨拶したワンデーポートの中村努施設長はこれまでの活動を振り返りつつ、「現在は、『ギャンブル等依存症』という言葉で法制化された一方、ワンデーポートのような生活の視点に基づいた考え方の浸透は進んでいない。病院に行けば治療すればという方向となっているが、国で進めている対策が万人に有効とは思えない。そんな中でワンデーポートは初心に帰って、政策の違和感や個別的な支援の必要性について考えていきたい」と述べた。

また稲村厚理事長は「ワンデーポートの活動は20年になり、延べで1000名余の方を支援してきた。1人ひとりへの支援を通じて、ギャンブル依存の問題対応は一つの方法で完結するやり方ではなく、生活や社会で生きていくための適応の問題ではないか、病院で治るものではなく地域社会の中で支え合い育んでいく事なのだと感じている」と、依存問題への正しい対応について理解を促した。

基調講演では、市川岳仁氏(三重ダルク 精神保健福祉士・保護司)が「アルコール・薬物・ギャンブリング問題を持つ人たちとの日々」と題して、自らの体験を通し、依存問題を抱える事によるレッテルをどうやって返上していけるのか、現在の社会や医療制度の盲点についてなど、問題共有を行った。その後、中村氏、稲村氏、市川氏の3名に、高澤和彦氏(精神保健福祉士・浦和まはろ相談室代表)、宮永耕氏(東海大学健康科学部准教授)を加えてパネルディスカッションを実施。「支援の現場の視点で考える」をテーマに、依存問題との向き合い方について参加者と考え方を共有した。

なお、今回のセミナーには、全日遊連の大野春光副理事長(岐阜県遊協理事長)をはじめ各地から業界関係者が参加し、依存対策への取組みついて関心を寄せた。

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