【レポート】新規則機移行率、６月末でようやく６５％に　～パチスロは供給不足確実か

新目標を設定し、業界を挙げて移行を進めている新規則機だが、６月末時点でも設置比率の目標値を下回った。

弊社ＤＢ「新Ｐ‐Ｓｅａｒｃｈ」の集計データによると、６月３０日時点の全国パチンコホールにおける新規則機比率は６５．１６％で前回の６２．９１％から２．２５ポイントの上昇。６月末「７０％」とした新目標には大きく届かないが５月から６月にかけての増加数はわずかに伸びており、完全移行へと少しずつペースが上がってきている。

集計データは、２０２１年６月３０日時点の総設置台数（集計台数）のうち正確に算出できた台数（算定台数）のみを対象としており、全体のカバー率は９１．８％。掲載する数値はいずれも算定台数ベースのため、実際に設置されている台数とは異なる場合がある。前回の数値は６月３日時点のデータを参照した。

▼全国パチンコ店における新旧規則機設置台数と比率

※データは弊社ＤＢ「新Ｐ-Ｓｅａｒｃｈ」より、インターネット上に公開されている情報にもとづく。グループ別のランキングは算定台数と集計台数の差異が大きい店舗を除いた。「前回比」は2021年6月3日調査時の数値。

パチンコは前回から５万５５１２台増加して新規則機比率は７０％を突破した。６月期導入機種では、「Ｐ牙狼月虹ノ旅人」の約３万台のほかは導入数が落ち込んでいたが５月末導入機種や「Ｐ大工の源さん　超韋駄天」シリーズの増台などによって旧規則機の積極的な削減が進んだ。

パチスロ新規則機は１万９３７５台増で比率は５６．１０％。新機種が少ない点を考慮すると新台とほぼ同数の旧規則機が撤去されているように見えるが、実際は「アイムジャグラーＥＸ」が増産によって前月期から１万台近く増加している。さらに６月上旬には「沖ドキ！」の実質完全撤去があった点も踏まえると旧規則ＡＲＴタイプの削減は停滞している。

７月期は祝日やオリンピック開幕の影響から新機種が少ないが、パチンコは「Ｐスーパー海物語　ＩＮ　沖海５」の大量導入を控えている。一方、パチスロは販売予定がわずか３機種で最多と予想される「新ハナビ」も順次導入となる為、「ジャグラー」増産分の入替が中心となるだろう。

５月以降、月あたりパチンコ約５万台、パチスロ約２万台の新規則機が増加しているが現状のペースでは当然来年１月末には間に合わない。特にパチスロにおいては６０万台超の旧規則機が残存しており、今後、毎月１０万台以上の入替が必要であり、すべてを新規則機新台に入れ替えるのは現実的ではない。

上位グループの状況をみていくと、ダイナムが前回プラス３．４ポイントで移行を加速させている。概ね毎月２～３ポイントの上積みを重ねているグループが多く、全体の新規則機移行率をわずかに上回る。つまりは中小グループの移行が遅れ気味となっており、新台販売増による大手の移行ペース加速に取り残される恐れもある。

▼設置台数上位１０グループにおける新規則機比率

なお７月末の新規則機比率は新機種販売目標数から６８％程度と見込む。６月末時点ではパチンコが前回の導入予想をわずかに上回ったが、パチスロは予想を下回っている。パチスロ新台の販売目標を大きく下回る展開で想定していたがそれ以上に厳しいのが実情だ。