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【試打コラム「PLT OVERLORD魔導王光臨」】エンタメとしてのラッキートリガーの存在は面白い、ただ自分ではもう打ちたくない

「PLT OVERLORD魔導王光臨」、初日実践でラッキートリガー発動の結果は

導入初日、都内駅前の中規模店舗にて実践。新機種は夕方からの開放で本機の導入は5台と同発ラッキートリガー(LT)搭載機である「アリア」や「北斗」と同数だった。開放後は全台満席となったものの「アリア」以外の機種は早い段階でやめていくユーザーも居り、導入規模の関係もあってか盛り上がりは高いとは言えない状況だった。

本機「PLT OVERLORD」は人気コンテンツかつパチンコ化自体は初、さらに新登場のLT機能搭載機と同発機種の中では最も販売数は多かったものと見られている。

スペック周りは実質大当り確率329.9分の1で既存のミドルタイプよりは重いがスマパチの1/349と比較すれば軽く、なおかつRUSH突入でオール2000発と比較的シンプルかつわかりやすい。実践を行った店舗では台上に実質確率表記のポップ、台間の詳細にも2R(時短0回)を除いたメーカー公表値と同様のグラフで案内されていた。

LT突入契機は図柄揃い時の約25%、下位RUSH中の33%と高めに見えるほか、LT非発動でも下位RUSHは2000オールの継続率約75%と、スペック表を見るだけならばLTに入らなくても旧内規ミドル同等の出玉が期待出来そうというバランスの良さは複数出ているLT機の中でも興味を惹かれるポイントにはなっている。コンテンツは若年層対象だが他機種と比較して本機と「北斗」は高齢者の姿も多かった。

実質3連単からLTで大逆転、しかし勝った実感よりも負け回避の安堵

実践データ
調査日:【2024年3月4日17:00~21:00】
収支:+21k(投資31k、回収52k)
138:遊技開始
228:2R(時短0回)
319:2R(時短0回)
525:2R(時短0回)
713:3R(時短148回・LT突入)
3R×1+(10R×2)×8:1万6300個
※回転数はST数含む。2R(時短0回)大当り後は回転数をリセットせず継続。

まず結果としては、3時間強で複数回の当りを引き、最終的にはプラスで終えている。実質1/329.9ではあるが仕様上の大当りは1/198。内部的な振分では1/198のうち、2R時短0回が40%になるのだが、つまりはこの単発の40%を3回連続で引いている。しかも2Rのチャージは図柄揃い後の告知ではなく、何も発展せず突入するので引いたときのやってしまった感が半端ない。RUSHやLTの突入率を高く見せるために実質1/329.9表記にしているのは解るが、確率に対して2R時短無しがあっさりと消化されてしまうため、大当り確率1/198で低めのRUSH突入率やLT発動率として表記し、なおかつ2R時短無しも通常のリーチフローから図柄揃い後の当否演出にしたほうが通常時のメリハリやRUSH・LTの特別感に繋がったのではないだろうか。

さて大きくハマるもLTを契機に一撃で取り返す理想的な流れではあったが、残念ながら「LTのおかげで勝った」印象ではなく「入らなかったら負けていた」印象が上回る。加えて「LTに入ってもこの程度か」と感じる場面が多くなりそうなスペックで、特別感の弱さやリピートを補強する要素も薄い。LT機のなかでも比較的安定した出玉に期待できるスペックである本機でさえ、出玉の極端さが強く印象に残るため他機種も含めてLT機能全般が導入直後から大ヒットを巻き起こす、という未来はなさそう。

またLT機全般の懸念として突入率がキツくなった影響で、アツくなって追いかける場面が減り、予算内でダメならきっちりヤメるユーザーが多いように感じる。本機は「次の先バレまで打とう」程度の追いかけはあり得るが、他機種では兎に角当るまで突っ込むような遊技を期待しづらい。

ハードルは高いが突入すれば期待値特大のゲーム性はスマスロ側ではヒットしているものの、パチンコではどうしても青天井や店の調整次第と言った部分で遊技予算も管理しづらい。また上位RUSHに突入する頃には大抵下位RUSHでしっかりと出玉を取っているスマスロのゲーム性と比較して、現行のLT機の大半は図柄揃い後の振分で決まるものが多いのもいただけない。上位ATに入る頃には勝ちがほぼほぼ確定して気分良く打てるのがスマスロだが、初当りまでの平均投資額でLTに入ったとして勝ち確で打てるのはどこからだろうか。今回LTでなんとかまくったかが全然出ている気がしないのも、勝ち確後のRUSH消化は3連チャン分くらうしかしていないからだ。勝ち体験を元にして次も打ちたいか、という重要な要素が感じられない。

と、酷評はしたがこれまで以上の極端さやLT発動を取れるかどうかのような分岐点については人によっては今まで以上に楽しめる要素だろう。特に動画映えという意味でLT機の存在は面白い。まあ自分では打ちたくないが代わりに誰かが天国と地獄を味わってくれるという意味でのエンタメだが。

結局ラッキートリガーは誰向けの機能だったのだろうか。とりあえず新規ユーザー向けに勧められるものではないし、これまで4円の甘デジ・ライトスペックを中心に打ってきて「ミドルは怖い……」なんて人にステップアップで勧めるようなものでもない。店の案内なんかを見ても「LT突入で期待値◯発!」みたいな煽り文句しかない。たぶん富裕層やインバウンド向けであってお金ない人は打っちゃいけないんだろうなという雰囲気。あるいは実は世間の一般人は自分が思っている以上にお金持ちだったりするのか……?

「PLTオバロ」自体の評価は……冗長な演出がクドく微妙な出来

さてオマケとして本機に的を絞った感想としては、聞き覚えのあるSEや尻下がり気味のリーチフローに加えてカスタム前提にも思える演出頻度の通常時に即当りの少ない発展演出メインのSTと演出面でネガティブなポイントを多数感じた。特に通常時の強演出発展フローであるカウントダウンは見た目の期待度と見合っておらず、カウントダウンに成功してもその後の演出でさらに強弱が存在と失敗時のストレスは強い。周囲のユーザーも大半は先読みカスタムによる「先バレ」タイプでの遊技が多く、先バレから冗長な演出を見せられた挙げ句アツそうな演出をあっさりとハズした後に席を立つ場面が目立ったり、約4時間の実践で5人が入れ替わっていた。

ようやくRUSHに入っても本機の継続率は下位約75%、上位約82%とLTによる差が少なく、ST回数が120回から148回に増えるだけで恩恵を感じづらい。しかしながら演出上はLT発動で非常に派手な煽りが入り、暗転からLT発動の大ロゴ表示にプレミア音まで響き渡る。LT発動自体が稀なスペックではなく、RUSHさえ入ればそれなりの頻度で突入が期待できるため特別感も弱く、期待値以下の出玉で終わった際の消沈は旧機種以上となる。LTの恩恵を感じられるとすれば平均を大きく上回るような出玉を獲得できた際のみであり、初当りや突入率を踏まえればこれまで以上に「勝ち体験」が遠ざかっているように思える。

看板タイトルでもある「牙狼」のようなSTタイプを目指したかったのかと感じる部分はあるが、演出面におけるストレスポイントの多さやAT10個賞球の2000オールで獲得出玉との差や出玉速度の遅さ、ギミックの都合仕方ないが邪魔すぎる手元のボタンなど粗は目立つ。LT含めてもう一度打ちたいと思える要素に欠けるので相当店側の扱いが良くない限りはリピートも厳しいのでは。


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