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「番長」シリーズの歴史を勝手に振り返る【元パチプロの「パチスロが好きだから」#213】

スロッカスの私が独断と偏見で勝手にパチンコ・パチスロ業界の歴史を色々振り返るシリーズ。前回は「山佐」について勝手に振り返りました(前回のコラムはこちら)。

今回はメーカーではなく「番長」シリーズについて勝手に振り返りたいと思います。

人気機種の後継機ともなれば、その盛り上がりは導入前から期待感があふれるもの。盛り上がり方もその人気に比例するもので、それを仮に「コンテンツパワー」と形容すると、コンテンツパワーは「北斗」シリーズと双璧をなし、パチスロ界で1、2を争うと思ってます。

伝説の始まり 「押忍!番長」 2005年7月

型式名は「デンセツノオトコD」で、今でこそ検定通過時点で何の機種かほぼ分かるが、当時は試験を通す型式名は割とどうでもよくて緩かった。パネルを見ると、今より気持ち硬派な顔をしている気がしないでもない。

トータルでパネル5種類が発売され、総販売台数は驚異の25万台で歴代3位(1位は「初代北斗」、2位は「北斗SE」)。

大人気だった「吉宗」を継ぐゲーム性で、BIG獲得枚数約400枚(711枚)、天井最大1280G(1921G)、天国モード128G(193G)と、当時を知る人は「マイルドな吉宗」というイメージを持っていたはず。

※()内は吉宗の数値

販売台数をみても大人気だったのは間違いないのだが、その評価は当時を知る人で意外と分かれているイメージ。おそらくその1番の理由は出玉性能で、設定6の出玉率は公表値107.7%(吉宗は119%)とかなり低い。そのため、出玉を求める人からは敬遠されがちで、近しい人がガチの人だったり本人もそういうタイプの人だと「打つに値しない」台であり、そんなイメージを持ったのかなと思ってます。

主に演出面が評価された機種だが、流行った理由は運に恵まれたことも非常に大きかった。2005年には5号機の導入が始まり(初期の5号機は本当に酷かった)、初代「北斗」は2006年に検定切れを迎え撤去、残存利益のような形で他に打つ台の選択肢が限られていたので、必然的に稼働が集中した。さすがに4号機のストック機全盛期時代に登場していたら、そこまで流行らなかったはず。

・スロカスの余談
当時はスロット2年生くらいだろうか。当然、番長も打ってはいたが、1日通して打つのは安定感も無くて、稼働はもっぱらハイエナメイン。なので、大勝ち大負けどちらもした記憶がほとんどない。番長よりは「夢夢ワールドDX」や「俺の空」を打っていたかなぁ。

「押忍!番長2」 2011年10月

たぶん、おそらく、「疑似ボーナス」を初めて搭載した台が、この「番長2」…と思われる(違うかも…)。今でこそかなり一般的、むしろ搭載していない台の方が少ないんじゃないかな?なんて思うくらい浸透した疑似ボーナスですが、最初にこの仕様を考えた人は中々凄いと思います。ちなみに当初は疑似ボーナスという呼称はまだ無くて、2014年頃から使われた始めた名称らしいです。

疑似ボーナスのシステムも凄いが、ARTの仕様も面白くてめちゃくちゃウケた。ART中はレア小役で上乗せを目指し、通常時同様に規定ゲーム数も走っているので、疑似ボーナスと上乗せが絡んだ時の面白さったらたまらん。「初代まどマギ」「L戦国乙女4」等、これら言ってみれば全て「番長2タイプ」と言われるものであり、後世に残した影響力は計り知れない。これに関しては流行るべくして流行った台。「『番長』シリーズで最も面白い台は何か?」とアンケートを取ると、たぶんトップ。

・スロカスの余談
2012年の夏。隣で「番長2」を打っていた人に疑似ボーナス中の次回予告が発生。それすなわち「超番長ボーナス」であり、「(いいなぁ…)」と横で見ていたら、どうやらその人は時間が無かったらしく、そのままその台を譲ってくれた。そんなオイシイ話には基本縁が無いだけに、たぶん死ぬまで覚えてる。

「押忍!番長3」 2017年4月

「番長2」旋風から6年の歳月を経てついにナンバリングタイトルの後継機「番長3」が登場!当然、ユーザーが待っているのは番長2のようなレア小役から上乗せワッショイが面白い仕様を期待している……んだけど、セット数管理とかベルモードとか対決勝利で上乗せとかなんなん!?番長2のゲーム性をブラッシュアップするだけでいいじゃん!

実際、こういう人気機種の後継機って、ファンが望む仕様とは裏腹に冒険した仕様で登場して、そのままコケるってのは珍しくない。

が、同機に関しては対決の自力要素、ループ上乗せの気持ちよさ等、実力で人気機種のポジションを掴み取った。

設定6の出玉率が119%と高かったのと、5号機後期まで置けたのもよかったですね。特に5号機後期に関しては、人によってはこれしか打つ台無かったという人も多かったんでは。

・スロカスの余談
調子良く、高設定っぽい番長3を打っていたある日の夜。急に胸が痛くなるし、咳が止まらなくなる。寝るのも苦痛で、次の病院に行ったら気胸(肺がしぼむ)でした。そのまま入院しました。入院費用は枚数で言うと3000枚くらい掛かった。

「押忍!番長ZERO」 2022年1月

いちおう、ナンバリングタイトル…なのかな?主役が「金剛」じゃないからスピンオフな気もするが。この台、個人的にはあまり好きじゃないのだが、ホールでの人気は高かった。「面白いから人気出たんだよ!」という人もいるかもしれないが、私は「番長」シリーズのコンテンツパワーだと思っている。それほど良く出来た台ではないが、番長ということでホール側も高設定を使うし、それに伴って稼働も増え…という好循環ができたおかげかなと。

・スロカスの余談
それほど好きな台ではなかったが、高設定が入るから一時期よく打っていた。そういう意味では、何気にシリーズの中でもかなりお世話になった機種のひとつと言えるかも。

「押忍!番長4」 2024年4月

そして、今年鳴り物入りで導入されたのがこの台。導入前の盛り上がりがもの凄くて、やっぱり「番長」シリーズって凄いなぁと、しみじみ感じた。評価はまだ何とも言えないところで、はたしてこのまま好稼働は続くのかどうか。

・スロカスの余談
初打ちで初ATまで5万掛かり軽くトラウマに。その後、一撃6000枚を出したりもしたが、なんやかんやトータル収支は未だマイナスである…。

最後に、スピンオフ作品も軽く振り返ってみようと思います。

「サラリーマン番長」シリーズ

「押忍!サラリーマン番長」 2014年9月
「番長2」のゲーム性を受け継いだ仕様で、その爆発力も相まってかなりの支持を得た。絶頂のみならず、「頂SRUSH」という気持ちよすぎるゾーンを入れたのは素晴らしすぎる。あれでレア小役引きまくりで爆乗せなんてした日には虜になるのも分かる。スピンオフ作品だけあって登場もキャラも様変わりしており、以前までのヒロイン操ちゃんに会うのは至難の業。私はもちろんこの台で邂逅できたことはない…。

「押忍!サラリーマン番長2」 2020年4月
ボーナス中は割と面白かったが、トータルでみると低設定がキツすぎる上に、ATの出玉に夢も無いとくれば流行るのはかなり難しかった。規制でがんじがらめの6号機時代にヒットを飛ばすのはやはり難しかったか…。

「HEY!エリートサラリーマン鏡」 2022年12月
スマスロ第1弾で颯爽と登場!ゲーム性は初代「サラリーマン番長」を汲む流れで導入前から期待されていたが、低設定のあまりのキツさに徐々に高設定を狙う人はいなくなり…。自分もこの台は全然打っておらず、6.5号機ばかり打っていた。

他スピンオフ

「押忍!操」 2010年5月

「押忍!番長A」 2018年4月

「アオハル♪操A-LIVE」 2024年6月

他、スピンオフ作品は上記のとおり。「押忍!番長A」は「番長」シリーズでいいような気もするが。

「番長A」はそんなに嫌いじゃなかったけど、出目関係がだいぶアレとか、ノーマルタイプとしては流行るにはちょっと難しい台だったかなと…。

©DAITO GIKEN, INC.


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  1. 初の6号機のHey鏡が抜けてるぜ!

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