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20年前から既にパチンコ業界は衰退に向かっていた、まさかこれほど落ち込むとは思っていなかったが【我市場的瑣末主義】

ふと20年近く前の組合会議の議論を思い出す。業界はすでに衰退産業だとある理事が断言したのに対し、他の理事が衰退産業とは言い過ぎでしょと苦言を呈し、それでもその理事は間違いなく衰退に向かっていると繰り返したのだった。

当時業界の低迷は常態化しつつあったが衰退と言えるほど個々の企業の業績が悪化しているわけでもなかった。ところが後年のデータから振り返れば、以降市場規模が増加に転ずることはなく、30兆円はまさかの半分まで落ち込み、店舗数や参加人口は半分よりさらに少ない4割にまで減った。

衰退を嘆いた件の理事もまさかこれほど「衰退」するとは思いもよらなかったはず。もちろん業界だけではない。『デフレの正体』で藻谷浩介氏が日本の成長鈍化の主因は人口減少にあると喝破したのが2010年。そもそも人口が減るのだからあらゆる商品が供給過多になる。作れば売れる時代は終わったのだ、と。

そうして有効手段が打てないままどの産業界も値段を上げたり下げたりムダな機能をつけたり取ったりして今日に至る。一方デジタル化により一変した世界では20年前には姿形もなかった企業群が闊歩する時代になった。いま20年前に戻ったとして何ができるか。20年後は。

※本コラムは「日刊遊技情報」より抜粋


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  1. もう少し娯楽としてのカタチ、2.5円LN制だった頃を思い出して欲しい。新台を打てるワクワク感、グルグル回って1日数回訪れる保留連、そんなに射幸性は強くなかったと思います。

    昔はお小遣いの範囲内で遊べる沢山の選択肢がありました。今のパチンコ業界、お小遣いで遊べますか?それも大きなファン離れに繋がった答えの1つです。

    一度現行機に慣れてしまうと、昔のドラム機なんてかったるく感じてしまうと思います。人間は依存するからです。本当の意味での依存症問題は機械に解決の糸口がありそうですね。

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