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遊産研がセミナー ~遊技機性能から見た市場動向を講義

miraiken

 

遊技産業未来研究所主催のセミナー「未来研究会」が、20日に東京都墨田区のグローリーナスカの本社で行われた。

 

セミナーは3部制で実施。第1部ではPRCの中田藤生代表取締役(チャーリー・ロドリゲス・湯谷氏)が「今後の遊技機性能から見る事業モデルの再考!!」と題し、ホール営業の動向を分析。第2部では「現実に目を背けない!!~限られた客数、限られた売上で闘う小規模店舗運営~」と題し、チャージの天羽玲二執行役員が小規模ホールが生き残るための手法を紹介した。また第3部では「今後は一層機械選びが重要!!~データから見る“失敗しない”機種選び~」と題して、遊技産業未来研究所の中野忠文代表取締役が直近の稼働推移や、各新台の出玉性能の分析を行った。

 

遊技機性能の変化が与えるホール営業の今後について中田氏は、パチンコ、パチスロそれぞれの過去10年間におけるアウトや売上、粗利等の推移を紹介。この間、パチンコは玉単価1.24倍増加、玉粗利1.47倍増加したもののアウトは約40%減少しているとし、パチンコユーザーの支持低下に伴う新台販売の不振を、メーカー側は販売価格の上昇で補っていると指摘。中田氏は「2007年の新台平均価格は35万円前後、現在は43万円前後と約1.3倍も上昇した。今後も新台を購入しずらい環境が進むのではないか」と懸念を示した。

 

一方のパチスロにおいては「5号機時代のこの10年間、玉単価はほぼ変わっていない。遊技機性能の変化が少なかったため、アウトも約10%の減少にとどまっている。根強いパチスロ人気により、ホールもパチスロ営業に力を入れているところが増えている」と分析。とは言え、今後については、規則改正に伴う遊技機性能の低下(=玉単価の下落)がホール経営に影響を与える可能性が高いと予測。「玉単価が2.3円程度に下落すると考えられ、これでは今までと同じ利益は取れない」と、パチスロ営業も今後は不透明な状況にあると説明した。

 

その上で同氏は、現在と新規則機時代のホール経営のシミュレーション値を、500台規模(パチンコ400台、パチスロ100台)のホールをモデルケースとして比較。同じ稼働個数という前提だと、主に玉単価の下落を要因として、月間売上は約7600万円減、月間粗利は約860万円減になると、厳しい見通しを示した。

 

このようななか今後、ホール側はどう収益を維持していくのかについては、新台入替や設備投資を軽減することとし、「従来までのパチンコホールの倒産理由は『過剰な設備投資(遊技機含む)』がほとんど。今後も新台価格は高騰していくと予想されるが、特に2021年1月以降は、厳格な目による機械入替が求められる。

 

また優先すべきはソフト力の強化であり、『機械に頼らない営業スタイルの確立』こそが最重要項目だ」とまとめた。

 

[2018年6月26日・日刊遊技情報]

 

株式会社 遊技産業未来研究所